投稿日 : 2023年2月17日 / 最終更新 : 2023年12月7日

コイル電流を逆流させないPWM制御(PWM Control)とは別に、コイル電流の逆流を許可するPWM制御のことを強制PWM制御(Forced PWM Control)と呼びます。

Condition : Vin=5V, Vout=3.3V/0mA

PWM制御と異なり強制PWM制御は軽負荷条件でもパルススキップが発生せず、ノイズ対策が容易です。
PWM制御と強制PWM制御の特長は以下の通りです。

PWM制御

軽負荷状態では不連続モードとなり、出力電流が大きくなるにつれDutyが大きくなります。
軽負荷状態では出力電圧を維持するために必要なON Dutyが非常に小さくなり、ICが制御できる最小Dutyを下回る場合があります。
このような条件では、発振周波数を維持することができずに発振周波数が低下するパルススキップ(間欠発振)が発生します。
また不連続モードでは、スイッチングノードのリンギングが発生します。スイッチングノードのリンギングは出力電圧のノイズ混入や放射ノイズの原因となります。

強制PWM制御

強制PWM制御では、コイル電流を逆流させるため軽負荷状態でも連続モードとなり、軽負荷から重負荷まで一定のDutyとなります。
 通常のPWM制御と異なり、軽負荷時でもDutyが小さくならないので、軽負荷時にパルススキップ(間欠発振)が発生しません。
また不連続モードにならないため、スイッチングノードのリンギングが発生せずリンギング起因のノイズが発生しません。
デメリットとしては、軽負荷時の効率が通常のPWM制御より低くなります。
また強制PWM制御では、コイル電流を逆流させる必要があることから 外付けダイオードが必要な非同期整流タイプのDC/DCでは強制PWM制御を行うことができません。