投稿日 : 2023年10月3日 / 最終更新 : 2023年11月22日

電圧検出器とは電源ラインの電圧を監視し、設定電圧を下回った場合や上回った場合に検知信号を出力するICです。電圧検出器のことをVD(ボルテージ・ディテクタの略)やリセットIC、スーパーバイザー等とも言います。

基本的な電圧検出器の入力(監視電圧)、出力の関係は以下のようになります。

監視電圧出力
解除電圧以上
(検出電圧+ヒステリシス)
“H”
検出電圧以下“L”
※検出時 “L” 出力品 (アクティブ”L”)

電圧検出器の用途

1.電池/電源電圧の監視

基本的電圧検出器により電源ラインの監視を行います。電源ラインが異常電圧になった場合に、後段のデバイスに信号を出力します。異常状態を後段デバイスに伝えることで、異常状態の判断やシステムの動作停止をします。

また電池の電圧監視に使われます。電圧検出器により電池電圧が低下したことを検出することで、システムの動作停止や電池電圧の低下状態の表示等に使われます。

2.MCUのリセット/パワーオンリセット(POR:Power On Reset)

MCUは動作電圧範囲が設定されています。
電圧検出器でMCUの電源ラインの監視を行い、電源ラインの電圧が動作電圧以下になった場合にMCUを停止させるためにリセット信号を出力します。また電源ラインが確実に立ち上がってからMCUを動作させるためにも、電圧検出器は活用されます。

3.電源シーケンス制御

一部のMCUやモジュールなどは、メイン電源とコア電源などの複数の電源を必要とします。デバイスによっては各電源の立上り/立下りシーケンスが規定されています。
電圧検出器を用いて電源ラインの監視を行い、ある電源ラインの立上り・立下り後に次の電源の立上げ・立ち下げが可能です。
これにより電源シーケンスを容易に作成可能です。