投稿日 : 2025年9月1日 / 最終更新 : 2025年10月14日
文責 : 釜野信彦

NC端子の適切な処理

電子回路を設計する際、ICのデータシートには様々な端子情報が記載されています。
その中でしばしば登場するのが「NC端子」(No Connection、未接続端子)です。多くの場合、NC端子は電気的にどこにも接続しなくて良いと考えられがちですが、実際にはその処理を誤ると、予期せぬ問題を引き起こす可能性があります。

本記事では、NC端子の基本的な考え方と、特に注意すべき処理方法について解説します。

1.NC端子の基本的な考え方

「NC端子」と明記されている端子は、電気的には回路上のどこにも接続しないのが基本です。
これは、IC内部でこの端子が電気的にオープンであることを示しています。

そのため、通常は配線パターンを引かず、オープン(開放)状態にしておくのが正しい処理です。

2.類似名称の端子と注意点

NC端子と似たような名称で、誤解を招きやすい端子が存在します。
これらは、見かけ上IC内部が「未接続」に見えても、実はIC内部に接続されており、特定の処理が必要な場合があります。

内部接続があるが機能無しの端子:

データシートには「NC端子」と記載されているにもかかわらず、実際にはIC内部の特定の回路ブロックに接続されている端子が存在します。 これらの端子は、特定の機能を持たないものの、ICの安定動作・テスト等のためにデータシートで指定された接続(例:GND接続、VDD接続、特定の抵抗を介した接続など)が必要となる場合があります。
指定通りの処理を行わないと、ICの誤動作、消費電流の増加、ノイズの発生、あるいは最悪の場合ICの損傷に繋がる可能性があります。

トレックス製品では、「NC端子」はIC内部が未接続な端子で統一しています。
内部接続がある機能無しの端子については「NC端子」以外の端子名称を採用し お客様の設計ミスを低減するようにしています。

3.正しいNC端子処理の原則

これらの点を踏まえ、NC端子を扱う際の最も重要な原則は以下の通りです。

「NC端子と記載されていても、必ずデータシートの記述を確認し、指定がある場合はその指示に厳密に従う」

データシートに具体的な指示がない場合はオープンで問題ありませんが、少しでも疑問があれば、ICメーカーに確認することが最も確実です。

トレックス製品では、「NC端子」は基本的にはオープンにすることを推奨しています。
ただしPCBレイアウトや他ICとの互換性のため、「NC端子」を他電位と接続しても問題なくご使用いただけます。

文責 : 釜野信彦

トレックス・セミコンダクター 2005年入社。
DC/DC等の電源IC開発に6年携わった後、オフラインLEDドライバの技術サポートを3年従事。その後、トレックスの電源IC顧客向け技術サポートを担当。
開発で培った知見と、長年の顧客サポートで蓄積した電源関連やトラブル事例対策の豊富なノウハウを基に、トレックス製品の技術サポートや製品提案に従事しています。
顧客サポートの一環として、設計支援ツールの開発も手掛け、お客様の設計プロセスを強力に後押しします。