投稿日 : 2026年2月2日 / 最終更新 : 2026年2月2日
文責 : 釜野信彦

同期整流方式は、DC/DCコンバータにおいて、電流の還流(逆流)を防ぐために用いられる還流ダイオード(ショットキーバリアダイオード: SBD)の代わりに、MOSFETを同期して使用する方式です。

DC/DCコンバータの性能、特に効率を大きく左右する要素の一つに、ドライバ構成の種類と配置があります。
DC/DCコンバータの効率向上に不可欠な技術である同期整流方式や他の方式との違いを解説します。

非同期整流方式

Pch FETとSBD(ショットキーバリアダイオード)を組み合わせます。
SBDの順方向電圧降下による損失があるため効率は劣りますが、DC/DCコンバータ内部の制御回路がシンプルにできるメリットがあります。
SBDが外付けとなるので、同期整流方式と比べて部品点数が増えます。

同期整流方式

還流ダイオードのSBDの代わりにMOSFETを同期して使用する方式です。
ダイオードのVF損失がないため、高出力電流時や低出力電圧時でも高い効率を実現できます。
降圧DC/DCコンバータの場合、High Side側のドライバFETにPch FETを使用、Low Side側のドライバFETにNch FETを使用します。

ブートストラップ方式

同期整流方式で、High Side側とLow Side側の両方のドライバにNch FETを使用する方式です。
High Side側にNch FETを使用するため、同期整流方式と比べドライバサイズを小さくできるメリットがあります。
これにより、同サイズでより低オン抵抗を実現できたり、同等の性能であればより小型化・低コスト化が可能になります。

ただし、High Side側にNch FETのゲートを駆動するために、VIN電圧以上の電圧が必要になるため ブートストラップ容量が必要となります。

ドライバ構成主スイッチ還流素子特徴効率部品
点数
非同期整流方式Pch FETSBD制御回路シンプル普通
同期整流方式Pch FET Nch FET 高効率、大電流対応、複雑な制御が必要高い少ない
ブートストラップ方式Nch FET Nch FET 高効率、大電流対応、複雑な制御が必要非常に高い普通

文責 : 釜野信彦

トレックス・セミコンダクター 2005年入社。
DC/DC等の電源IC開発に6年携わった後、オフラインLEDドライバの技術サポートを3年従事。その後、トレックスの電源IC顧客向け技術サポートを担当。
開発で培った知見と、長年の顧客サポートで蓄積した電源関連やトラブル事例対策の豊富なノウハウを基に、トレックス製品の技術サポートや製品提案に従事しています。
顧客サポートの一環として、設計支援ツールの開発も手掛け、お客様の設計プロセスを強力に後押しします。