投稿日 : 2026年6月29日 / 最終更新 : 2026年6月29日
文責 : 釜野信彦
電源IC(LDOやDC/DCコンバータ)のデータシートを読んでいると、「**パワーグッド(Power Good)**」または「**PG**」と呼ばれる端子や機能が記載されていることがあります。
## **1. パワーグッドとは**
パワーグッドとは、電源ICの出力電圧が正常な範囲に達したことを外部に知らせる「**ステータス信号**」です。
出力電圧が規定の閾値(通常は設定出力電圧の90〜95%程度)を超えると、PG端子がHighを出力します。逆に出力電圧が低下したり、異常が発生した場合はLowになります。
## **2. なぜ必要なのか**
電源を投入した直後、出力電圧はゆっくりと立ち上がります。この立ち上がり中に後段のMCUや回路が動作を開始すると、電圧不足による誤動作や初期化失敗が起きることがあります。
パワーグッド信号を使うことで、「電源が安定してから後段を動かす」という制御が可能になります。
## **3. 主な活用方法**
* **電源シーケンス制御**
複数の電源レールを持つシステムで、前段の電源が安定したことを確認してから次の電源を起動する「パワーシーケンス」に活用できます。
PG信号を次段の電源ICのEN端子に接続する使用方法が一般的です。
* **MCUのリセット制御**
PG信号をMCUのリセットピンに接続し、電源が安定するまでMCUをリセット状態に保ちます。電源投入時の誤動作を防ぐ最もシンプルな使い方です。
* **システム監視**
動作中に電源電圧が異常低下した際に、MCUへ割り込み信号として通知するために使われます。
## **4. 出力形態:Nchオープンドレイン出力**
PG端子は一般的に**Nchオープンドレイン出力**です。そのため、外部にプルアップ抵抗を接続して使用します。
プルアップ先はVDDや任意の電源ラインが使えるため、後段の回路の電圧レベルに合わせた柔軟な接続が可能です。
## **まとめ**
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| **役割** | 出力電圧が正常範囲に達したことを知らせるステータス信号 |
| **出力形態** | 一般的にNchオープンドレイン出力(プルアップ抵抗が必要) |
| **主な用途** | MCUリセット制御、電源シーケンス、システム監視 |

文責 : 釜野信彦
トレックス・セミコンダクター 2005年入社。
DC/DC等の電源IC開発に6年携わった後、オフラインLEDドライバの技術サポートを3年従事。その後、トレックスの電源IC顧客向け技術サポートを担当。
開発で培った知見と、長年の顧客サポートで蓄積した電源関連やトラブル事例対策の豊富なノウハウを基に、トレックス製品の技術サポートや製品提案に従事しています。
顧客サポートの一環として、設計支援ツールの開発も手掛け、お客様の設計プロセスを強力に後押しします。