投稿日 : 2023年2月20日 / 最終更新 : 2023年11月13日

リニアタイプの電圧レギュレータと、スイッチングタイプのDC/DCコンバータの使い分け方を説明します。

まずは、リニアタイプの電圧レギュレータの長所/短所を復習しましょう。

リニアタイプの電圧レギュレータの長所

  • 入力側と出力側にコンデンサを接続すれば動作する “設計の容易性”
  • 低ノイズ
  • 部品点数が少なく、省スペース
  • 低価格
  • 製品数が多く、最適な製品を選定しやすい

リニアタイプの電圧レギュレータの短所

  • 入力電圧と出力電圧の差が大きいと、損失が大きい/効率が悪い
  • 入力電圧と出力電圧の差が大きいと、発熱が大きく放熱対策が必要
  • 降圧動作(電圧下げる)しかできない

電圧レギュレータとスイッチングタイプのDC/DCコンバータの使い分けですが、電圧レギュレータの短所を許容できる場合は、リニアタイプの電圧レギュレータが最適な選択肢となります。

スイッチングタイプのDC/DCコンバータを使う状況としては以下のようになります。

それ以外ではリニアタイプの電圧レギュレータを使用することが最適です。

DC/DCコンバータを使うべき状況

(a)電源構成

  • 降圧以外の電源構成(昇圧・昇降圧・極性反転)が必要

(b)熱起因

  • ICの発熱により、電圧レギュレータを使うことができない
  • システム全体の発熱を抑えたい
  • システム全体のコスト低減/省スペース化のため、ヒートシンクなどの熱対策部品を削減したい

(c)損失・効率起因

  • 電池駆動時間の長時間化のため、電圧レギュレータの損失を改善したい
  • 機器全体の消費電力削減のため、高効率なDC/DCコンバータを使う必要がある
電圧レギュレータ
(リニアタイプ)
DC/DCコンバータ
(スイッチングタイプ)
設計容易性GoodNormal
部品点数 / 省スペースGoodNormal
価格LowNormal
ノイズGoodBad
効率BadGood
発熱BadGood
電池持ち時間ShortLong
電源構成Step-downStep-down/Step-up etc