設定出力電圧を維持するのに必要な入力と出力の電圧差が入出力電位差です。
入力と出力の電位差がこれだけあれば、設定出力電圧を維持できる電位差であり、●●mA取り出すには▲▲mV必要、という見方をします。
入力と出力の電圧差が入出力電位差以下になると出力電圧が低下します。
一般的に入出力電位差は ”ドライバFETのオン抵抗”と出力電流に比例します。そのため実際に使う出力電流に応じて、入出力電位差を算出する必要があります。
下記の例で考えてみましょう。
ELECTRICAL CHARACTERISTICS
PARAMETER | SYMBOL | CONDITIONS | MIN. | TYP. | MAX. | UNITS |
---|---|---|---|---|---|---|
Dropout Voltage | Vdif | IOUT=300mA, VOUT=5.0V | - | 120 | 200 | mV |
設定出力電圧3.0V品で出力電流100mAで3.0Vを維持する入出力電圧差は240mVです。つまり出力電圧3.0Vに対して、入力電圧は3.24V以上が必要です。
入出力電位差は出力電圧に対し線形なので、100mAの半分の出力電流50mAしか流さない場合は、入出力電位差も半分の120mVになります。この場合、3.0Vを維持するのに必要な入力電圧は3.12V以上となります。
つまり、3.12V以下の入力電圧で、出力電流50mAを流すと、3.0Vの出力電圧を維持できずに出力電圧が低下します。
入出力電位差とオン抵抗には、以下の関係が存在します。
オン抵抗 Ron = 入出力電位差 Vdif ÷ Iout (入出力電位差条件のIout値)
オン抵抗が低い製品ほど入出力電位差が小さいので、例えば電池残量ギリギリまで出力電圧を維持したい用途には入出力電位差が小さい製品が最適です。