ここでは、DC/DCシミュレーションを使ったコイル電流の確認方法と最適なコイル選定例を説明します。
1. シミュレーションの実行(IC選択 / 電源仕様の入力)
入力項目にシミュレーション条件を入力してシミュレーションを実行して下さい。
Step1. 製品の選択
Step2. 発振周波数の選択
Step3. 動作モードの選択
Step4. 電源仕様の入力 (Vin/Vout/Iout/周辺部品定数 etc)
2. コイル電流の確認 / コイル選定方法
“Summary”タグ、“Waveform”タグ、”Coil Current / Input Current”タグから、コイル電流の確認を行えます。各出力電流でのコイル電流/振幅は、”Coil Current / Input Current”タグ を確認して下さい。
コイルの選定には、コイルに流れる最大電流を元にコイルを選定するのが一般的です。
上記のシミュレーション結果を例にすると、コイル電流の最大値が600mAに対し 少なくともその1.5~2.0倍以上の飽和電流のコイルを選定するのが一般的です。 インダクタンス値については、使用するDC/DCコンバータのデータシートに記載されている推奨インダクタンス値を選定して下さい。
注意事項
選定の基準となるのはコイル電流に流れる電流であり、出力電流ではないということです。
DC/DCでは出力電流とコイル電流は同じ電流値になることはありません。特に非絶縁の降圧DC/DC以外のTopologyでは、コイル電流の最大値が出力電流より大幅に大きくなる傾向になります。
コイル電流の最大値を手計算で算出するのは、個別のICの制御を理解した上で煩雑な計算を行う必要があります。そのため、シミュレーション等を用いて実仕様条件でのコイルの最大電流を求めるのが、工数削減や部品選定ミスの抑制に効果的です。