一般的な方法(手計算や一般的なシミュレーション)では、昇圧DC/DCや反転DC/DCの最大出力電流を算出するのは難しい or シミュレーションに長時間が必要な場合がほとんどです。
ここでは本ツールを使い、昇圧DC/DCや反転DC/DCの最大出力電流を容易に求める方法を説明します。また降圧DC/DCでも同様に最大出力電流を求めることが可能です。
1. シミュレーションの実行(IC選択 / 電源仕様の入力)
入力項目にシミュレーション条件を入力してシミュレーションを実行して下さい。
Step1. 製品の選択
Step2. 発振周波数の選択
Step3. 動作モードの選択
Step4. 電源仕様の入力 (Vin/Vout/Iout/周辺部品定数 etc)
2. 最大出力電流の算出
“Summary”タブから最大出力電流の確認を行えます。
ここでは具体的な例として、PWM/PFM制御方式の昇圧DC/DC XC9142シリーズ 1.2MHzの最大出力電流を確認します。
“Summary” タブ の ”Iout max”を確認すると、最大出力電流660mA@Vin=3.3V/Vout=5.0Vであることがわかります。このように、難しい設定やセッティング不要で算出の難しい最大出力電流を算出することができます。
注意点：実機 & 本ツールで算出した最大出力電流の注意点
本ツールで算出する最大出力電流ですが、ICのTYP特性を元に計算した最大出力電流になります。
つまり、ICの製造ばらつきを考慮していない最大出力電流となります。
昇圧DC/DCや反転DC/DCの最大出力電流は、ICの電流制限特性や最大Duty制限等に制限される場合が多くあります。つまり、ICの特性が電流制限や最大Dutyが小さい側にばらついた場合に、シミュレーションで算出した最大出力電流や、実機で測定した最大出力電流よりも小さい出力電流しか流せないということになります。
これは、量産時に不具合の原因となり得るため、ICの製造ばらつき等を想定した最大出力電流の算出および機器設計が重要となります。
本ツールではTYP特性を元にした最大出力電流しか算出できませんが、個別にお問い合わせ頂ければ ワースト条件での最大出力電流の提示が可能です。