投稿日 : 2026年1月30日 / 最終更新 : 2026年3月4日
文責 : 釜野信彦

DC/DCの制御方式ですが、スイッチング周期・オン時間を制御する 制御方式として PWM制御、PFM制御やPWM/PFM自動切替制御が存在します。この制御方式の違いは、軽負荷効率、ノイズ特性、出力リップル電圧に大きく影響します。ここでは、PWM制御、PFM制御、PFM/PWM自動切替制御の動作モードや特徴、デメリットについて解説します。

PWM制御、PFM制御の違い

PWM制御、PFM制御の一番の違いは、軽負荷時の効率の差です。
下記の効率データは、同一製品で制御方式をPWM制御とPFM制御に切り替えた際の効率を比較したものですが、軽負荷時の効率が大きく違うことがわかります。

PWM制御(Pulse Width Modulation)

PWM制御は、スイッチング素子を一定の周波数でオン・オフさせ、そのオン時間幅(パルス幅)を変化させることで出力電圧を安定させる制御方式です。
出力電圧が目標値からずれた場合、その誤差に応じてオン時間(デューティ比)を調整します。

・特徴

  • スイッチング周波数が一定: ノイズの発生周波数が予測しやすく、対策が比較的容易です。
  • 出力リップルが小さい: 常に一定周波数で動作するため、出力電圧の変動(リップル電圧)が小さく安定しています。

・デメリット

  • 軽負荷時の効率が低い: 負荷が軽い場合でもスイッチング動作を続けるため、軽負荷ではスイッチングするための消費電流の損失で効率が低下します。

PFM制御(Pulse Frequency Modulation)

PFM制御は、スイッチング素子のオン時間を一定に保ちスイッチング周波数を変化させることで出力電圧を安定させる制御方式です。
出力電圧が設定出力電圧より下がると、一定のオン時間でスイッチング素子をオンにし、負荷が軽くなると次のパルスまでのオフ時間が長くなり、周波数が下がります。

・特徴

  • 軽負荷時の効率が高い: 負荷が軽いときにスイッチング周波数を下げることで、スイッチング回数と損失が減り、高効率を実現します。
  • 出力リップルが大きい: スイッチング周波数が変動するため、出力のリップル電圧の変動が大きくなる傾向があります。
  • ノイズスペクトルが変動: スイッチング周波数が負荷によって変わるため、ノイズ対策が難しく、可聴域ノイズの発生可能性もあります。

PWM/PFM自動切替制御

PWM/PFM自動切替制御は、上記二つの制御方式の利点を組み合わせたハイブリッドな方式です。 出力電流(負荷)の大きさによってPWM制御とPFM制御を自動的に切り替えます。 重負荷時は安定性と低リップルが求められるためPWM制御で、軽負荷時は高効率が求められるためPFM制御に切り替わります。

・特徴

  • 全負荷範囲で高効率: 幅広い負荷範囲で高い効率を維持できます。
  • 安定性と効率のバランス: 両制御の利点を享受できます。

・デメリット

  • 切り替え時に一時的な出力変動やノイズが発生する可能性があります。
動作モードスイッチング周波数ON時間幅軽負荷効率出力リップルノイズスペクトル
PWM制御一定 可変 低い小さい特定周波数
PFM制御可変 一定 高い大きい負荷により変動
PFM/PWM自動切替負荷に応じて自動切替 可変 高い 軽負荷:大きい,
重負荷:小さい
軽負荷:変動,
重負荷:特定周波数

文責 : 釜野信彦

トレックス・セミコンダクター 2005年入社。
DC/DC等の電源IC開発に6年携わった後、オフラインLEDドライバの技術サポートを3年従事。その後、トレックスの電源IC顧客向け技術サポートを担当。
開発で培った知見と、長年の顧客サポートで蓄積した電源関連やトラブル事例対策の豊富なノウハウを基に、トレックス製品の技術サポートや製品提案に従事しています。
顧客サポートの一環として、設計支援ツールの開発も手掛け、お客様の設計プロセスを強力に後押しします。